菜の花食堂のささやかな事件簿 きゅうりには絶好の日 (だいわ文庫) (だいわ文庫 I 313-2)

著者 :
  • 大和書房 (2017年2月11日発売)
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本棚登録 : 765
感想 : 78
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日常の謎のお仕事ミステリーですね。
『菜の花食堂の事件簿』の二巻目です。
五話の短篇連作物語です。
靖子先生の『料理教室』に加えて、『菜の花食堂』の方にも物語は進展していきます。
助手の優希さんが進行役ですが、新たに靖子先生の弟子入りして、自分の店を持ちたい夢を持つ香奈さんが参画してきます。
香奈さんは『料理教室』からの入門ですが、『菜の花食堂』を手伝いながら修行をする事になりました。
一方、優希さんは契約社員で、不動産の事務所の仕事をしていましたが、段々と『菜の花食堂』の仕事も進めて行き、そちらに移行したい気持ちが高まります。
イベントの参加などで、少しずつ『菜の花食堂』の仕事が膨らみます。
物語は、謎解きも含めて、ますます話が広がり、面白さが増していきます。
読み出すと止まらなくなりますね。短篇連作なのですが、靖子先生と優希さん、香奈さんの素性が明らかになる成長物語も広がりをみせていきますので、話が交差してハートフルストーリーにも展開していきます。
このシリーズ、目が離せなくなってきました。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: お仕事ミステリー
感想投稿日 : 2023年7月14日
読了日 : 2023年7月14日
本棚登録日 : 2023年7月14日

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コメント 2件

川野隆昭さんのコメント
2023/07/15

菜の花食堂なんて、一生懸命でささやかな優しさに満ちている気がしてきます。
あの司馬遼太郎も、自己の作品のなかで、『菜の花の沖』という作品が最も好きだ、と、語っていたらしいです。
母親が菜の花和えを、季節になると作ってくれますが、春の季節を身体に取り込むような味で、とても清々しいですね。

ひだまりトマトさんのコメント
2023/07/15

川野隆昭さん、おはようございます。
コメントありがとうございます。
菜の花の川野さんの思い出は、興味深いですね。
作品の舞台が武蔵野ですから、文学的な面影があります。
おっしゃる通り、とても人情味豊かな作品です。
「菜の花和え」は私も好きです。いいお母様ですね。
よかったら読んでみてください。

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