世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド 上巻 (新潮文庫 む 5-4)

著者 :
  • 新潮社 (1988年10月1日発売)
3.84
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本棚登録 : 12175
感想 : 1100
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何度目かの再読で、おそらく村上春樹作品で最も好きな小説。作者が得意とする、二つの世界が並行して語られる手法での真骨頂。昔は「世界の終り」パートが退屈に感じられたものだけれど、歳を重ねることであの街の空気感を好きになれたような気がします。「ハードボイルド・ワンダーランド」の主人公は春樹作品の中でも特に人間らしくて良い。クールなんだけれど心中で弱音もたくさん吐くし(実際にかなり可哀想……)、ユーモアセンスもあって所々噴き出しそうになってしまう。何より不完全ながらもこの世界を愛しているのが伝わってくる。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: フィクション
感想投稿日 : 2021年7月28日
読了日 : 2021年3月15日
本棚登録日 : 2021年7月28日

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