ある日を境に肉食を拒否するようになったヨンヘ。
彼女の夫が語り手の「菜食主義者」、姉の夫が語り手の「蒙古斑」、姉が語り手の「木の花火」という三つの中編からなる連作小説集。
肉を食べない娘ヨンヘに、”おまえのため”と言いながら、殴り、ヨンヘの夫と弟と三人がかりで、無理やり口に肉を押し込み食べさせようとする父親に強烈なインパクトを受けた。
そして母親の不在を感じた。いや、いることはいるんだが。しかし、父親の腕を掴み止めようとするのは姉だけだ。最終的に、入院費を払うのも保護者になるのも姉だ。
衝撃的ではあっても、仰々しさはなく簡潔な文章で描かれている。
暴力、家父長制、世間体、被害者意識、役割、赦し、自責、罪悪感。家族とは。夫婦とは。
なぜ、死んではいけないの?という言葉が残っている。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2022年9月11日
- 読了日 : 2022年9月11日
- 本棚登録日 : 2022年9月5日
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