半藤一利さんはこの表題のをテーマにした講演を全国各地で35年以上続けています。その内容を本にしたものです。
昭和史といえば半藤氏であり、半藤氏が探偵し尽くした日本人の昭和の敗戦ですが、その当時ととても似ている状況にあります。この本が書かれたのは2012年ですから3・11の東日本大震災が起こったばかりの時です。あの当時、総理官邸と原子力安全・保安院と東京電力のトップは誰も責任を取らず、あれから10年経とうとしているのに、未だフクシマの処理の方向性さえつけられずにいる日本。そして「異次元の金融緩和」や「アベノミクス」、「拉致被害者問題」等々が当初言っていたことがズルズルと曖昧になっている。
これは「中国一撃」で始めた日中戦争はその戦費を半年分しか予算化していなかったのに、泥沼化して日本国を敗亡に導いてしまった。なんだか日本の財政破綻も同じような道筋を辿っている。
大本営陸軍海軍部は危機に際して「いま起きては困ることは起きるはずがない。いやゼッタイに起きない」と独断的に判断する通弊がありましたが、いま日本の政府は同じことを繰り返そうとしています。
そんな危機感を感じました。これからの人生を生きる指針を考える上でとても役に立つ一冊だと思います。
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- 感想投稿日 : 2020年11月22日
- 読了日 : 2020年11月22日
- 本棚登録日 : 2020年11月22日
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