私説東京繁昌記 (ちくま文庫 こ 4-18)

  • 筑摩書房 (2002年4月1日発売)
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本棚登録 : 92
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1984年バブルのさなかに書かれた東京に生まれ育った人の東京記。下町に生まれ育ったものの、下町には屈折した感情が入り乱れ、それがそのまま東京の現在に繋がる。1992年に再刊され、終章「八年ののち」には「ニューヨークでもロンドンでもパリでも、変貌は付きものである。しかし、東京のように、何かに追い立てられるかのように<街そのもの>を消費してゆく都市は世界にもまれであろう」とまとめられている視点は、この国の現在の姿そのものであると思えた。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 父親蔵書
感想投稿日 : 2018年12月23日
読了日 : 2018年12月23日
本棚登録日 : 2018年12月23日

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