あきない世傳 金と銀 源流篇 (ハルキ文庫 た 19-15 時代小説文庫)

著者 :
  • 角川春樹事務所 (2016年2月12日発売)
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本棚登録 : 2786
感想 : 324
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「みをつくし料理帖」「銀二貫」の作者の作品なので。

物語の進む速度が、上の作品の間ぐらいだが、ちょっと物足りないというか、速すぎるというか。
とはいえ、人々の心持ちを美しく描くさまは相変わらずだし、
四人もいた女衆候補の中から選ばれた場面は圧巻。

話とはまったく関係ないが、むかしむかし、学校で先生に言われたことを思い出した。
「日本は使える土地も狭いし、資源の少ない国だから、頼みは人的資源だけだ。だから勉強するように」
それは多分私だけではない。
日本のあちこちで多くの子ども達が同じことを言われていた。
現在の様にソフトが日本を世界に知らしめてはいなかったが、
製造業ではすでに世界一の分野がいくつもあり、ハードでは世界を席巻していた。
それでも、学びは大切だと言われた。

その通りだよ。
別に国のために学ぶ訳ではない。
学んでも、人生の問題が全て解決するわけではない。
それでも、学べる環境にあるなら、その間だけでも学ぼうよ。
学びたくても学べない人たちが山ほどいたのだから。
今でも世界にはたくさんいるのだから。

そんなことを思いめぐらしてしまうほど、
幸の気持ちが痛いぐらい伝わってきた。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 時代
感想投稿日 : 2017年11月19日
読了日 : 2017年11月17日
本棚登録日 : 2017年11月17日

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