「みをつくし料理帖」「銀二貫」の作者の作品なので。
物語の進む速度が、上の作品の間ぐらいだが、ちょっと物足りないというか、速すぎるというか。
とはいえ、人々の心持ちを美しく描くさまは相変わらずだし、
四人もいた女衆候補の中から選ばれた場面は圧巻。
話とはまったく関係ないが、むかしむかし、学校で先生に言われたことを思い出した。
「日本は使える土地も狭いし、資源の少ない国だから、頼みは人的資源だけだ。だから勉強するように」
それは多分私だけではない。
日本のあちこちで多くの子ども達が同じことを言われていた。
現在の様にソフトが日本を世界に知らしめてはいなかったが、
製造業ではすでに世界一の分野がいくつもあり、ハードでは世界を席巻していた。
それでも、学びは大切だと言われた。
その通りだよ。
別に国のために学ぶ訳ではない。
学んでも、人生の問題が全て解決するわけではない。
それでも、学べる環境にあるなら、その間だけでも学ぼうよ。
学びたくても学べない人たちが山ほどいたのだから。
今でも世界にはたくさんいるのだから。
そんなことを思いめぐらしてしまうほど、
幸の気持ちが痛いぐらい伝わってきた。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2017年11月19日
- 読了日 : 2017年11月17日
- 本棚登録日 : 2017年11月17日
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