⚫︎受け取ったメッセージ
少女が大人になる一時期の光と影のような不安定を
太宰の言葉でくっきりと描かれている
⚫︎あらすじ(本概要より転載)
「幸福は一夜おくれて来る。幸福は、―」。女性読者から送られてきた日記をもとに、ある女の子の、多感で透明な心情を綴った表題作。名声を得ることで破局を迎えた画家夫婦の内面を、妻の告白を通して語る「きりぎりす」、情死した夫を引き取りに行く妻を描いた「おさん」など、太宰がもっとも得意とする女性の告白体小説の手法で書かれた秀作計14篇を収録。作家の折々の心情が色濃く投影された、女の物語。
⚫︎感想
九段理江さんの「school girl」を読む前に、表題作のみ読了。さすが太宰…という表現力に脱帽。
思春期特有の、少女が持っている漠然とした不安、本音と建前のバランス、母への愛と拒絶、労りと残酷、自分が純粋でないと感じて、期待はずれに思ったり、こんな自分でいいんだろうかと疑問に思ったり、自分の意地悪な部分を感じて自己嫌悪…それでもなんとなく生きてる。不幸せでもない。でも…そんな思春期に誰しも大なり小なり感じたことのあるもやもやした感情を、美しく切り取っている。感情が目まぐるしく、朝起きた時の感覚からはじまり、最後寝るまでの1日の中に凝縮されている。
素敵な表現がいくつかあったので、メモに残しておこうと思う
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
未設定
- 感想投稿日 : 2024年1月29日
- 読了日 : 2024年1月29日
- 本棚登録日 : 2024年1月29日
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