かたち――自然が創り出す美しいパターン1 (ハヤカワ文庫 NF 461 自然が創り出す美しいパターン 1)
- 早川書房 (2016年4月7日発売)
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感想 : 8件
なぜ対称性の破れから自発的なパターンがうまれるか、ここを手がかりに、物理的・数学的・化学的な世界でみられるパターン発生の現象をみていく。
それによって、微生物にあらわれる結晶のような構造や、シマウマやキリンの模様、蜂の巣や、胚の発生におこっているようにみえる対称性の破れとパターンの生成を説明できるのではないかと探る。
生物にみられるそういう構造を、ダーウィニズムに任せて、自然がそれを選んだなんて「適応」で説明してしまって満足するのではなく、そうあるべき物理的、力学的理由があるはずだ、としたダーシー・トムソンという人の指摘と構想に添いながら、それを現代科学でわかってるものによって更新するような構成。
最終的には、実際にそうなのかはわからないけども、よく説明できる、というモデルまでは辿り着いているようだ。かなり納得がいくし、めちゃくちゃ面白い。
BZ反応なんかは、ネットで調べると動画が出てくる。これはまさに生命を感じてしまう化学反応。
勾配、反復、そんなものが本質的なんだ。
驚くべきは、アラン・チューリング。ダグラス・ホフスタッターだろうがロジャー・ペンローズだろうが、アルゴリズムと知性の差について考えるには、チューリングを必ず引用することになるが、まさかこんなところでまでチューリングが出てくるとは。チューリング波、知りませんでした。
ナボコフが出てきたのにも驚いた。このあたりは著者の読ませ上手なところか。
とにかくまぁ面白かった。3部作のひとつめということで、残り2冊に取り組む。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2018年11月18日
- 読了日 : 2018年6月20日
- 本棚登録日 : 2018年11月18日
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