たったこれだけの家族―河野裕子エッセイ・コレクション (河野裕子エッセイ・コレクション 1)
- 中央公論新社 (2011年7月10日発売)
本棚登録 : 65人
感想 : 8件
1900年代、慣れない外国で生きる河野さんとその家族の生活が描かれている。特にドラマも誇張もなく、自然体の筆調で読みやすい。何気ない日々の中で、家族の心の機微が感じられる。
特に印象的だったのは、外国の慣れない環境で生きる子どもたちの姿だった。学校が外国人ばかりで、しかも言葉の壁があり、環境に適応できない無力感と、それでも抗おうとする逞しさが、子ども達の日々の何気ない言葉や態度から切々と感じられた。そんな切なさに胸を締め付けられ、時に心が温かくなる。素晴らしいエッセイだった。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
エッセイ
- 感想投稿日 : 2021年1月25日
- 読了日 : 2021年1月22日
- 本棚登録日 : 2021年1月25日
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