さよなら渓谷 (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社 (2010年11月29日発売)
3.51
  • (121)
  • (405)
  • (400)
  • (91)
  • (13)
本棚登録 : 2929
感想 : 336
5

傑作である。そして吉田修一の凄さが際立つ作品だと思う。まず情景描写の素晴らしさ。そして人間の描き方。加えて複雑な感情表現・・・それらが組み合わさってはいるが、サラリと描くのが実に旨いのだ。
なので、先が読めるとか、あり得ないとか、都合がよすぎるとか、正直どうでもいい。人によって感じる度合いや深さが異なるように敢えて書いているのだから。よって様々な意見が無限に出てくるのは当然であり、それが作者の狙いでもある。
反発が出てくる事も承知の上でこのテーマに踏み込んだ吉田修一の覚悟が伝わってくる。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2022年5月31日
読了日 : 2022年5月31日
本棚登録日 : 2022年5月31日

みんなの感想をみる

コメント 0件

ツイートする