岡本綺堂集 (ちくま文庫 か 35-1)

著者 :
制作 : 日下三蔵 
  • 筑摩書房 (2001年2月1日発売)
4.04
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本棚登録 : 86
感想 : 9
5

本は二部構成になっていて、第一部が「青蛙堂鬼談」全12話。
百物語の会で、参加者が次々に怪談・奇談を語ってゆく、
という趣向。
養父と成長した養女が妻の死後に夫婦同然の関係になるのだが、
その娘が刀に付いた血を舐めたがるという「一本足の女」が
一番ゾゾッと来ました(^_^;)。
第ニ部は独立した短編が並んでいるのだが、
第一部に倣って「●●君は語る」といって始まる話ばかり
集められていて、やっぱり百物語のスタイルを踏襲している。
これは編者のアイディアですね。上手い。
それにしても文体が滑らかで非常に美しい。
上品です。
だからどんなに不気味な話でも後味が悪くない。
読者を強引に怖がらせるような演出は一切せず、
作品一つ一つが醸し出す雰囲気が
次第にじわーっと効いて来るような
巧みな筆捌きを満喫しました。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ:  怪奇・探偵小説
感想投稿日 : 2011年12月11日
読了日 : 2003年1月31日
本棚登録日 : 2011年12月11日

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