本は二部構成になっていて、第一部が「青蛙堂鬼談」全12話。
百物語の会で、参加者が次々に怪談・奇談を語ってゆく、
という趣向。
養父と成長した養女が妻の死後に夫婦同然の関係になるのだが、
その娘が刀に付いた血を舐めたがるという「一本足の女」が
一番ゾゾッと来ました(^_^;)。
第ニ部は独立した短編が並んでいるのだが、
第一部に倣って「●●君は語る」といって始まる話ばかり
集められていて、やっぱり百物語のスタイルを踏襲している。
これは編者のアイディアですね。上手い。
それにしても文体が滑らかで非常に美しい。
上品です。
だからどんなに不気味な話でも後味が悪くない。
読者を強引に怖がらせるような演出は一切せず、
作品一つ一つが醸し出す雰囲気が
次第にじわーっと効いて来るような
巧みな筆捌きを満喫しました。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
怪奇・探偵小説
- 感想投稿日 : 2011年12月11日
- 読了日 : 2003年1月31日
- 本棚登録日 : 2011年12月11日
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