最後の晩ごはん 兄弟とプリンアラモード (角川文庫)

著者 :
  • KADOKAWA (2023年3月22日発売)
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本棚登録 : 370
感想 : 29
3

シリーズ第19作。
長いシリーズとなったので、初期の設定を忘れていた。海里が芸能界を追放された件は覚えていたが、海里と兄・一憲との当時不仲だった理由は海里の芸能界入りと追放だと思っていた。
今はおおらかな母も過去には辛い時期があり、そこに父の早すぎる死があったことも新鮮な気持ちで読んだ。

これまで海里目線で見ていた五十嵐家だが、一憲目線で見れば全く違ってくる。
一憲ですらまだ親に支えて守ってもらいたい時期に大きすぎる責任を背負ってきたことに苦しくなる。

内容紹介にある『海里が幼い頃に起きた衝撃の出来事』も、一憲の当時の状況を思えば仕方ないし理解できる。
だがそこは一憲自身が乗り切るしかないし、それを海里がどう手助けするのかを見守った。

タイトルである「最後の晩ごはん」らしい展開はどこに出てくるのか、今回も無しか…と思ったが、最後にチラッとだけ近い内容となった。

以前に出ていた一憲・奈津夫婦が養子を迎える話が現実的になってくる前に、海里の母が動いていたのが五十嵐家らしいというか、海里の母らしいと思った。
そして毎度海里を支えてくれる夏神とロイドも良かった。
心配なのは後輩の李英。何とか元気になって欲しい。

次回がさらに楽しみになった。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: ドラマ ハートウォーミング
感想投稿日 : 2023年11月9日
読了日 : 2023年11月9日
本棚登録日 : 2023年11月9日

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