日の名残り (ハヤカワepi文庫 イ 1-1)

  • 早川書房 (2001年5月31日発売)
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感想 : 990
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ずいぶん前に映画を見て気になっていた作品。
やっと読めた。

主人公のスティーブンスがいかにもな英国執事という設定。古き良き時代を、長年仕えてきたダーリントン卿や執事として大先輩の父、仕事の同士である女中頭ミス・ケントンとの思い出を振り返りながらドライブ旅行は進む。

執事としてダーリントン卿を心から敬愛し信じたスティーブンス。執事としての仕事に心から誇りを持ち真面目に打ち込んだスティーブンス。結果、父の最期の瞬間に立ち会うことは出来ず、自身のミス・ケントンへの想いにも気付かず、主は敬愛したダーリントン卿からアメリカ人のファラディに変わり、美しく維持されたダーリントン・ホールも大勢いた雇人も極限まで減る。

ドライブの最大の目的はミス・ケントンとの再会だが、その再会が出来るのかどうか、また出来たとしてスティーブンスの思惑通りに進むのかが、回想を読み進むほど心配になってくる。

時に健気で時に滑稽、時に痛々しいほど真摯に理想である「品格ある」執事の仕事に突き進んだ彼が、旅の最後にたどり着いた答えは。
心配したような結末でなくて良かった。

ファラディの元で、スティーブンスがどのような執事振りを見せてくれるのか、渾身のジョークはどんなものなのか、想像すると楽しい。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: ドラマ その他
感想投稿日 : 2023年4月23日
読了日 : 2023年4月23日
本棚登録日 : 2023年4月23日

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