帝国の慰安婦

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  • 朝日新聞出版 (2014年11月7日発売)
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従軍慰安婦とは何なのか?
ともすると、日本軍がナチスのように、強制的に未婚女性を連行したように思われているが、実際にはそんな簡単な問題では無い。
問題として、慰安婦を必要とした構造的な原因
(日本軍を展開していた大日本帝国、植民地支配という支配ー被支配の構造、慰安婦を必要とする男性・家父長制社会・戦争というそもそもの問題)

慰安婦を供給した側の問題
(貧困・供給業者・不正を取り締まらなかった治安当局)

など、全てを大日本帝国に帰するは困難であり、法的責任を問うとすればまずは甘言・誘拐・欺して、慰安婦を送り出した業者にある(むろん日本が道義的責任から逃れることはできない)

ただ、日本も道義的責任に向き合おうとした1990年代の取組は、韓国の支援団体の反対に頓挫し(韓国世論)、今や解決の糸口は見えようとしない。

日韓双方この本を読んで一度頭を冷やした方がいいと思う。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 日本史
感想投稿日 : 2021年3月1日
読了日 : 2021年3月1日
本棚登録日 : 2021年3月1日

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