ゲノム・ハザード

著者 :
  • 文藝春秋 (1998年4月1日発売)
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本棚登録 : 71
感想 : 13

自宅で妻の遺体を発見した鳥山敏治。
抱き起した途端、かかってきた1本の電話。
「あっ、敏ちゃん?」
その声は死んだはずの妻だった―――。

映画化されるということで知り、内容も面白そうだったので読みました。
実際面白かったです。

死体となった妻と電話をかけてきた妻の謎。
鳥山を追い回す、刑事と名乗る謎の2人組の正体。
ところどころ記憶が抜け落ちているという鳥山の不思議な状態。

この全てにちゃんと答えが用意されています。

後半に進むにつれ科学の専門用語が多くなり、難解な部分もありますが、それを使ってうまくピンチを切り抜けるのが面白い。
彼の頭の中で何が起こっているのか、最後まで読めなかったのも良かったです。

実際にこんなことが起こりうるかと言われれば、多分ほぼないのだろうけど、偶然が生み出す産物は、予測し得ない、とんでもないものであったりします。
そこに絡んでくる大きな企業や様々な人の思惑…それらは紛れもなく、この世界に存在します。
そこにリアリティがあることが、この作品をより面白くしているのではないかと思いました。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: ホラー・ミステリー
感想投稿日 : 2013年10月14日
読了日 : 2013年10月6日
本棚登録日 : 2013年10月8日

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