春秋の色 (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社 (1997年1月13日発売)
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感想 : 8
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春秋時代や戦国時代に、少しだけ興味がある。
どうやって知るか、となると、研究書にしても、何を読んでいいかわからないし、読みこなせるとも思えない。
そこで、何か小説で、と宮城谷さんの本のお世話になる。

本書は、古代中国の文化や文献を素材にした随筆なのだけれど、同時に夏王朝の頃を描いた出世作、「天空の舟」などを書いた頃の話や、故郷蒲郡についてのエッセイもあった。

宮城谷さんは、英文学をやってきた人だったことも、本書で初めて知った。
また、立原正秋ら、大学の恩師たちとの関わりと修業時代のことも何度も出てきた。
正直、この世代の作家が、大学の文学誌(早稲田文学)で世に出ていくというコースがあるのかとは思っていなかったから、驚いた。
高校時代に作家になることを志し、大学時代外国語をマスターしつつ、文体を確立させ、そしてさらに数年かけて書くべき題材を見つけた。
こんな風に作家になっていく人は、今いるのだろうか。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2017年10月31日
読了日 : 2017年10月31日
本棚登録日 : 2017年10月29日

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