先にレビューした『サンドウィッチは銀座で』と同時購入した一冊。
前著と同じ、『オール読物』の連載で、谷口ジローさんの漫画が入るのも同じ。
この巻では、まず豚丼から始まる。
鹿児島の黒豚尽くしの会席、弘前の「藩士のコーヒー」にイカメンチ。
東向島の「駄敏丁カットステーキ」はグラス・フェッド(草で肥育した)で、「ごくごく」のどに入ってくる肉だという。
沖縄の大衆食堂。
餃子の王将の支店による個性の違い。
根室のさんま祭りに津軽のアンコウ、岩手久慈駅の「ウニ弁」、東京駅のエキナカグルメ…。
この人の本を読むと、食の世界って広いなあ、と感じる。
私自身は食には関心はあるけれど、それほどの執着はない。
私はきっと、一生スーパーで買った特売品を食べる人生だろうと思っている。
では、この本は不快かというと、そんなことはない。
こんな世界があるということを知るだけで楽しい。
まあ、正直、読んでいるこちらの胃がもたれてしまう気がしなくもないけれど。
土地の雰囲気、メニューが開発されるまでの歴史、店の人の思いなどによりそいながら、一つのメニューが丁寧に紹介されていく。
平松さんの目配りの細やかさのおかげで、退屈しない。
食のエッセイとして、私の中では第一の作品のような気がする。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2022年9月25日
- 読了日 : 2022年9月23日
- 本棚登録日 : 2022年9月25日
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