終末のフール (集英社文庫)

著者 :
  • 集英社 (2009年6月26日発売)
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感想 : 2498
3

8年後に小惑星が地球に衝突することが発表されて、5年経過した仙台のある地域に生活する人々の連作短編。
発表当初は絶望する人々が自殺したり、自暴自棄で掠奪、強盗、殺人が一斉に起きて、5年後の今は落ち着きが出始めた頃。登場人物達の周辺も親や家族が自殺したり、殺されたりと悲惨な状況。重く暗い話しが続くが、どの短編も後半に明るい兆しが出てきて救われる。
あと3年しか無いと見るのか、あと3年もあると考えるかで随分違ってきそう。自殺を思い止まる人、恨みによる殺人を止める人、子供を産むと決断する夫婦など。
最後に衝突は間違いだったというオチかと思ったが違ったようだった。残された3年を生きる人々が潔く思えた。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 小説
感想投稿日 : 2023年10月25日
読了日 : 2023年10月25日
本棚登録日 : 2023年10月25日

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