デジタル社会の現況と情報学を幅広に捉えた一冊。総花な感じで焦点がぼやけるか?
全5章から成り、1章は新型コロナ以後の日本の官民デジタル社会現況、2章はAIとメタバースの現況、3章は情報学のうち多様な主観性を重視する考え方の概論、4章は分断アメリカ社会、5章がまとめと提言の構成。
1・2・4章に新しい発見や驚きは正直あまりなくて、読むべきは3章と5章か。
とはいえ、3章は情報学素人の私は完全に置いてけぼりをくらった。著者の専門分野で真骨頂発揮の章なのだと思うけど、情報を哲学的に捉える視点・イメージ・理論がさっぱりわからない。これは別の本で学ぶべきことか。
5章は、日本人の気質(保守的でトップダウンのムラ社会)とデジタル社会(変化し続けるオープンな自己責任社会)の相性の悪さは納得。
人もシステムも社会も、ベータ版が許容されない日本の環境と気質のままでは、いつまでたっても国際デジタル社会のフォロワーだろうなと感じた。
巨大IT企業が作り出す金やビジネスに偏重したデジタル社会は、負の側面と格差拡大ばかりが目立っているような気がしてならない。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
理系
- 感想投稿日 : 2023年6月7日
- 読了日 : 2023年6月6日
- 本棚登録日 : 2023年6月6日
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