スロウハイツの神様(下) (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社 (2010年1月15日発売)
4.33
  • (2729)
  • (1774)
  • (687)
  • (103)
  • (24)
本棚登録 : 18154
感想 : 1604
4

積んでたけど、もっと早く下巻読めばよかった…!
これなら上下巻に分けなくてもよかったと思うよ。

上巻を読んだだけだと、各々のクリエイター達の作品にかける情熱や、グツグツした人間関係に精神を削られる。
モノを産み出す人たちの気性とか、作品へのこだわりとか、感情を剥き出しにする生き方に怯みつつ惹かれたり、振り回される。

でも下巻で、リリアの登場からチヨダコーキの偽物とか、コーキの天使ちゃんの正体とか、もろもろ明かされていって、最初に振り回されたのが嘘みたいに晴れやかな読了感。

ここの住人たちは、己の産み出す作品で認められたい、人々の心を動かしたいと望む、本気の人達。
彼等の作品に対する思いは色々あるけど、作品へのこだわりとかの描写にふれると、情熱ってこういうことなのかな。クリエイターすごい。

環はアメリカの生活が合ってる気がする。激しい気性で、個人的には苦手なタイプ。
それでも、彼女の中のチヨダブランドへの愛やプライド、優しくしてくれた人達への感謝とか、温かい(熱い?)心がきちんと土台にあって、それが彼女が人を惹き付ける要因にもなってると思う。

そしてコーキ、それはギリギリだぞ!と言いたい(笑)
でも彼の気持ちも暖かくて、外から見る分には全く問題ない…かな。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 辻村深月
感想投稿日 : 2018年2月9日
読了日 : 2018年2月8日
本棚登録日 : 2011年11月26日

みんなの感想をみる

コメント 0件

ツイートする