奪取(下) (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社 (1999年5月14日発売)
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本棚登録 : 2581
感想 : 180
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主人公たちが仕掛ける騙しの手口が見事で、ストーリー展開も波乱に富み、アクション場面も派手で、手に汗握るエンターテイメント性抜群の作品だった。
登場人物がそれぞれ個性的でバイタリティーに溢れていて、特に水田の爺さんのスーパーマンぶりが凄すぎる。
作品中に書かれている贋札作りの作業は試行錯誤の連続であり、膨大な時間、手間、経費がかかりそうで、よくこんなことをしようとする気力が起こるなと感心した。
主人公のコンピューターに関する知識、度胸等もすばらしく、落ちこぼれではないし、贋札作りではなく、もっと健全で有意義なことにその能力を活かすべきだと思った。
印刷、製紙などの技術的な説明がかなりの部分を占めているのだが、正直、読むだけでは理解できず、その部分に関しては字面を追うだけの苦しい読書になった。
最後の三段のオチも、この作品の締めくくりに相応しいすばらしいものであった。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2019年5月31日
読了日 : 2019年5月31日
本棚登録日 : 2019年5月31日

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