人間動物園 (双葉文庫 れ 1-5)

著者 :
  • 双葉社 (2005年11月1日発売)
2.86
  • (7)
  • (26)
  • (107)
  • (39)
  • (14)
本棚登録 : 475
感想 : 74
4

作者が得意な誘拐もので、最後まで読むと十八番の反転構造が判明し、予想外の騙し絵が浮かび上がる。
第二部の終わりまで読むと1つの反転構造が明らかとなるが、その内容は作者の別の作品の構図と同じではないかと感じたが、最後にさらなる反転を見せ、誘拐の持っている新たな意味が提示される。刑事たちが出した14万円が奪われた謎、刑事たちの家族に誘拐事件が起こったことが連絡された謎、それぞれの意味が真相によって見事に説明されている。作者の斬新なものの見方、捉え方、発想には感心せざるをえない。
惜しいと感じるのは、犯人の思想と犯行動機が理解しがたいこと、また、芳江の取った行動が不自然に感じられる点だ。
真相を知ると、タイトルに隠された意味が判明する点も見事だ。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2018年11月17日
読了日 : 2018年11月17日
本棚登録日 : 2018年11月17日

みんなの感想をみる

コメント 0件

ツイートする