鉄の蝶と呼ばれるまでになる女性不動産王ルルの話。いつものサクセスストーリーで貧乏な娘が才覚と幸運であちこちにビルを建てるようになる。結婚はピアニストとまったく畑違い。いつものサクセスものといってもシェルダンのことなので金持ちになりました。では終わらない。どうひねるかがポイント。そのうち不景気になり世界最大の摩天楼の建設は頓挫する。その背景には以前の恋人の弁護士の邪魔があった。そして夫は強盗に襲われ肝心の右手を使えなくさせられる。これもその弁護士のせいと思う。しかし、犯人を挙げてみるとその男はルルが雇い主という。そういうオチなのかと思っていたらそれも違って実は腹心の部下であった。彼女のための犯行だった。金にビルに夫に腹心の部下とあっという間にいろんなものを失ってしまう。というのが今回のひねりでした。特に犯人が腹心の部下であるあたりはかなりの意外性がある。ただまぁ上下巻をつかってやるには少し物足りない結論ではある。結局また不動産の買い付けに乗り出すとこで終わって夫の仕事などどうもふんぎりがつかないことが多いエンディングでした。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2010年9月5日
- 読了日 : 1996年1月12日
- 本棚登録日 : 1996年1月12日
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