愛のむきだし [DVD]

監督 : 園子温 
出演 : 西島隆弘  満島ひかり  安藤サクラ  尾上寛之  清水優  永岡佑  広澤草  玄覺悠子 
  • アミューズソフトエンタテインメント
4.20
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本棚登録 : 2387
感想 : 482
4

ヘンテコリンにしてスゴイ。
パンチラと宗教というテーマで4時間の映画なんてちょっと信じられませんね。
冒頭は渡部篤郎神父に猪突猛進の愛情表現の渡辺真起子登場でこれぞ「愛のむきだし」かと思うと破局。そのことで精神のバランスを欠いた渡部篤郎神父が子どもの西島隆弘に懺悔することを強いる。「何もない」と言うと「罪を犯さない人間はない。反省する心が足りない。」と叱られる。それで懺悔するために罪を犯すようになる。

このあたりまではドキドキの展開で、そこから罪を犯すために盗撮グループに入り盗撮道をまい進していくあたりでおバカな展開になる。
トンボを切りながらすばやく盗撮ってそれで写真は撮れないだろうってシーンが延々と続く。シリアスにすると陰湿になるという計算とは思うが。この真面目なのか不真面目なのかよくわからない遠近感の壊れた感じに荒削りなパワーを感じさせるとこがこの映画のユニークなところ。

ここでヒロインの満島ひかり登場となるのだが『見えない弾がいつでも飛んでいる。いつだって戦争がおきている。透明な戦争。』という世の中を見ている女の子でそれはまさに青春そのものですね。

と感心するとここからかなり意図的な満島ひかりのパンチラシーンが続く。さらに新興宗教の安藤サクラがつけねらうという荒唐無稽な展開となる。この上品と下品の怒涛の攻めにあっけにとられる。

中盤は5人が入り乱れかなりいい加減な展開と思ってると聖書の「コリント前書13章」のフレーズが出てくる。
『愛は寛容であり、愛は親切です。
また、人をねたみません。
愛は自慢せず、高慢になりません。
礼儀に反する事をせず、
自分の利害を求めず、いからず、
人のした悪を思わず、
不正を喜ばずに真理を喜びます。
すべてを我慢し、すべてを信じ、
すべてを期待し、すべてを耐え忍びます。
愛は決して絶える事がありません。』
このあたりがこの映画のテーマかなとまた見直したり。

エンディング4時間を支えるものなのでこうしたものしかないのだろうという予定調和な感じがしてペースダウンする。総じて端整な映画作りの真逆な映画のありようにこんな映画もあるんだとびっくりさせられた。
後で見ると2009年キネ旬ベストテン4位。なるほどね。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 映画
感想投稿日 : 2010年9月11日
読了日 : 2010年9月11日
本棚登録日 : 2010年9月11日

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