マインドマップ。端的に言えば、この技術は『ビジュアル化したブレインダンプ』、でしょうか。
本作は、一つのテーマやカバレッジ、事柄について整理するのに役立つマインドマップについて紹介し、使用の具体的事例を説明するものです。
・・・
筆者はノートへの板書と比較します。ノートが上から下、右から左に一律・定型的に書くものですね。
他方、マインドマップは中心の円にコンセプトを記入し、ここからアメーバ状に関連ファクターを書いていくものです。そのファクターごと挿絵的に絵をかいたり、色付けしたり、より自由な表現を許すことで、記憶からのアウトプットもスムーズになり、またファクター同士の関連も絵的に理解できる図になるというものです。
・・・
本作の幾つかの練習をへ、読了ののち、私は趣味の英語のスピーチ(5-7分)で試してみました。
骨子について、マインドマップでラフスケッチを一回。更新版をもう一回。ここまでで大体45分程度。頭の中では喋る内容は大分まとまりました。
次にマインドマップに基づいてスピーチ原稿の書き起こしします。喋る内容がまとまっているたので60分ほどで出来上がったと思います。
喋る当日、マインドマップと原稿を見ながらしゃべる練習をし、フリップなしで時間通りに喋れるように訓練するのが60-90分。
通常ですと、原稿が覚えられない、喋ってみてから原稿を練り直す、等々あり、喋る練習+推敲に120-180分程度はかかるのですが、マインドマップを作製しているからでしょうか、筋の変更は不要でしたらし、概要の記憶もスムーズにいきました。
ついでに言えば喋りたい内容についても概ね喋れたと思います。
結論:記憶、頭の整理という観点では威力は相当あると思います。
・・・
但し、やはり訓練が相応に必要でしょう。
一番感じるのは絵の訓練。芸術家顔負けの描写は不要でしょうが、特徴をつかんで造形をなぞれるような訓練が必要かも。私は、人のポーズとか棒人間みたいなのしか書けないのですが、何の絵だか書いている本人が分からなくなりました。
で、絵がないと、文字ばかりで放射状にノートが書いてあるだけの、醜い板書になりさがります。これならば普通のノートが良いかなとかって思います。
実際、本書ではマインドマップの紹介?程度までの踏み込みで、悩みへの対処法(絵が上手に書けない場合はどうする? メインテーマから分岐が3,4つくらいしか出ないけどいいのか等)は少ないのでその点がちょっと難しいと感じました。
・・・
ということで思考技術に関する書籍でした。
記憶、サマリー、網羅に関連することに興味がある方、例えば受験や資格試験を控えている方、業務内容を網羅してプレゼンをする方、何か一つのカテゴリを包括的に研究している方、等々には参考になると思います。
- 感想投稿日 : 2023年8月6日
- 読了日 : 2023年8月4日
- 本棚登録日 : 2023年8月6日
みんなの感想をみる