組織設計概論―戦略的組織制度の理論と実際

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  • 産能大出版部 (1999年8月5日発売)
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感想 : 22
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組織をどのように作ったらいいのか、道標的な本を探してました。思ったよりもあまりなくて、Amazonも本屋も、推奨はこの本でした。
初版は1999年なんですよね。でもこの本が推奨されるんです。


感想。
推奨されるだけの内容でした。本当に1999年の本なのか、というくらい今も通じる問題提起と解決策が記載させれています。読んでよかったです、


備忘録。
・組織とは。複数の組織成員の有機的共働によって、より効率的に組織目標の達成を通じて、効用を極大化させるための集団。つまり、1+1が2じゃないということ。

・組織を考える上での前提条件。①組織のメンバーが組織に求めることに差異がある(なぜこの組織に所属しているのか、その理由は人それぞれである)、②だからこそ共有化された組織目標が必須である。→超その通り。感動する。

・尚、高度成長期など欲しいものが世の中に溢れ、皆がそれを購入するために働いていた頃は「経済的報酬」が共通目的だったが、今はそうではないと、1999年の段階で述べている。

・企業の戦略の構造。企業のビジョンがあって、ビジョン実現のための事業ドメインがあって、それを実現するための事業戦略(サービスサイド)と機能別戦略(どうやって作り売るかなど)がある。

・有効な戦略の要件。目標、行動、競合の意識、それぞれに対して打ち手が合理的であること。

・組織は戦略に従うのか、戦略は組織に従うのか。鶏たまごだが、あるべき論で言えば、組織は戦略には従うべき。

・組織変革を従業員はどこまで受け入れられるか。そこは考慮しておくべき。

・組織設計の考え方。戦略合理性、組織理論合理性、業務特性合理性。

・『組織改革とは、組織成員の行動様式の変革である』。→この本で最も重要だと私は思う。名言。

・組織改革の留意点。①変革には必ずデメリットが存在する(そこは選択である)、②組織改革に伴い既得権の再配分が発生する、③当面の業務効率は低下する、④組織は改革しないと生産性は低減していくのが宿命。この四点もすごい。最強の教え。

・組織設計の6ステップ。PJ編成、課題の整理、基本理念の設定、3Sへの展開、移行、定着。この中で言うと、基本理念と3Sが特に新鮮でした。

・組織の課題を探す際には、企画、意思決定、調整、実行、評価(モニタリング)、の5つの観点で見直そう。

・3Sが重要。ストラクチャー(組織骨格)、システム(制度やルール)、スタッフィング(人材配置)。これが各組織の基本理念に沿っているか、理念に沿ってるかどうか、が結構重要。

・企業のポリシーが、ストレートに伝わってくる組織図は無駄がなく美しい。→なるほど。

・組織設計を成功させるには。行動様式の変革に繋がること、象徴的なスタッフィング、足して2で割るような改革は効果がないと理解すること、が重要。珠玉。

・NECの管理職削減事例。

・ネットワーク型組織は30名以下なら、業態によってはうまくいくのでは。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
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感想投稿日 : 2023年8月27日
読了日 : 2023年8月27日
本棚登録日 : 2023年8月27日

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