父が娘に語る 美しく、深く、壮大で、とんでもなくわかりやすい経済の話。

  • ダイヤモンド社 (2019年3月7日発売)
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感想 : 558

「経済」と聞くと、市場だの金融だの債務だのという言葉が踊る、そろばんを弾いたり電卓を叩いたりの、無味乾燥で小難しい印象。しかしこの本では、ギリシャ神話や映画を例に出すことによって、経済の枠組みがとても詩的に語られる。経済と共に、人間の根源的な特質を考えさせる。

「格差はどうして生じるのか」という娘の問いに答えようと口火が切られる。そして著者は、経済学者だけが「経済」を語るのはよくないと再三強調する。経済の専門家に「経済」を語らせたままにしておくと、ろくなことにならないということ、それがよくわかっただけでも、私は読んでよかった。

難解な言葉が一切ない。単刀直入で、煙に巻くところがない。だけど含蓄に富んでいる。アダム・スミスやケインズの論よりも先に知っておきたいこと。「なぜ格差は生まれるか」と訊かれたら、答えるのは難しいけれど前よりは考えることができる。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2022年6月24日
読了日 : 2022年6月24日
本棚登録日 : 2022年6月24日

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