「常野」の一族にはそれぞれに不思議で奇才な能力があった。彼等は権力への志向を持たず、穏やかで知的で、常野から離れても、ふつうの人々の中でひっそりと暮らしている。彼等は何のために存在し、どこへ帰っていこうとしているのか?
物語は常野一族をめぐる10の短編から構成されていて短編ながら繋がりのあるお話もあった。
ただ、どうも色々な「常野」の話を盛り込み過ぎた感が否めない。場面もコロコロと変化し、時空を超えたりするものの、着地点がみえずいまいち入り込めなかった。個々のお話の展開は素敵なんだけどなぁ。
「世界が何か新しい局面を迎えようとしている。
常野の人々が時代の表面に出なければならないような世界に」・・・最後まで残念ながら、この世界がみえて来なかった。小さく纏まって終わった様な印象だった。
想像していたファンタジーでは「常野」の魅力的で壮大なスケール感を生かしつつ、読み手を何処かへ導いていく様なイメージだったので、少し物足りなさを感じた。
私の読解力不足なのかも・・・
余談だが、作中に出てきた「いちごみるく」
どうやらこのキャンディがストーリーにしっくり来る作家さんは多いようだ笑
ここ最近もみかけたが恩田陸さんもそのようだ。
噛める?食べる?キャンディ、懐かしいなぁ。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2023年10月28日
- 読了日 : 2023年10月28日
- 本棚登録日 : 2023年10月18日
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