光の帝国 常野物語 (集英社文庫)

著者 :
  • 集英社 (2000年9月20日発売)
3.78
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本棚登録 : 14019
感想 : 1446
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「常野」の一族にはそれぞれに不思議で奇才な能力があった。彼等は権力への志向を持たず、穏やかで知的で、常野から離れても、ふつうの人々の中でひっそりと暮らしている。彼等は何のために存在し、どこへ帰っていこうとしているのか?

物語は常野一族をめぐる10の短編から構成されていて短編ながら繋がりのあるお話もあった。

ただ、どうも色々な「常野」の話を盛り込み過ぎた感が否めない。場面もコロコロと変化し、時空を超えたりするものの、着地点がみえずいまいち入り込めなかった。個々のお話の展開は素敵なんだけどなぁ。

「世界が何か新しい局面を迎えようとしている。
常野の人々が時代の表面に出なければならないような世界に」・・・最後まで残念ながら、この世界がみえて来なかった。小さく纏まって終わった様な印象だった。

想像していたファンタジーでは「常野」の魅力的で壮大なスケール感を生かしつつ、読み手を何処かへ導いていく様なイメージだったので、少し物足りなさを感じた。
私の読解力不足なのかも・・・

余談だが、作中に出てきた「いちごみるく」
どうやらこのキャンディがストーリーにしっくり来る作家さんは多いようだ笑
ここ最近もみかけたが恩田陸さんもそのようだ。
噛める?食べる?キャンディ、懐かしいなぁ。


読書状況:読み終わった 公開設定:公開
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感想投稿日 : 2023年10月28日
読了日 : 2023年10月28日
本棚登録日 : 2023年10月18日

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