かんちがい音楽評論[JAZZ編]

著者 :
  • 彩流社 (2012年1月16日発売)
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感想 : 5
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この本の書評については、高野雲氏 はじめ、ジャズに精通した多くの方が明快なコメントを出している。

私は、「素人目線」の率直な感想を述べることにする。

はっきり言って、「つまらない」。

まず、文章が簡潔でない。だから読んでいて疲れる。

そして、前述の高野雲氏の持論、「もっとジャズを楽しみたい」との気持ちでこの本を買うと、
がっかりする。
これは単なる、自称他称を含め「ジャズ評論家」と名乗る人の、狭い業界で巻き起こされてきた、
「コップの中の争い」の暴露本であり、さらに言えば、著者の「愚痴」のオンパレードではなかろうか。

要するに、「村社会の中で小難しいゴタクをならべている」ようにしか思えず、
こんな本がまかり通るから、ジャズという音楽ジャンルが、
「ヘンクツ者が聴く音楽」とのレッテルを貼られてしまうように感じられてならない。

これからジャズに触れようとする人、ジャズを純粋に楽しみたい人にとっては、
この本に書かれてあることなど、どうでもいいことであろう。

だいたい、「ジャズって、こんなに楽しい音楽なんだよ」ということをわからせる努力が、
世に蔓延る有象無象の「ジャズ評論家」から、一部の例外を除きほとんど見えてこないのである。

「上から目線」の独善的持論を閉鎖空間でぶつけ合っている、つまらない泥仕合。
すべて、とは言わないものの、いわゆる「ジャズ評論家」の世界の本質はそういうことであるように思えてきた。

ならば、「ジャズ本」などに惑わされず、
自分なりの価値判断をしていけばいい。妙な洗脳などされないほうがいい。
そして、その価値判断を、閉鎖社会でしか通用しない論理であれこれ査定され、
それに一喜一憂する必要など全くない。
ゆがんだ村社会で正論とされることは、世間一般の尺度で測れば、
えてして奇妙奇天烈な非常識論であろう。


この本から得た収穫。
「ジャズが好きなら、ジャズ本に惑わされるな」

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2013年1月19日
読了日 : 2013年1月19日
本棚登録日 : 2012年1月19日

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