くっすん大黒 (文春文庫 ま 15-1)

著者 :
  • 文藝春秋 (2002年5月10日発売)
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本棚登録 : 3287
感想 : 359
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出てくる人出てくる人みんな狂人で、じつは全員ヤク中っていう設定でした、と言われても驚かない。
支離滅裂と言ってもいいほどのシュールな展開がリズミカルに続き、個人的には結構ちょくちょくぞくりとした。笑いと恐怖は紙一重とはよく言ったもの。
そして読み終わった後に街を歩いたら、すれ違う人がすべからく変人のように思えて困った。もしかしたら世界って、私が思うより狂っているのか。やほほ。

『河原のアパラ』では特に、人間も動物も無造作に死にまくり、流血したりし、たいして悲しまれるでもない。 
主人公達は最後には袋小路に近い状態に追い込まれる。
けれども、ラストシーンで彼らは「全身腐った鮒まみれになって」爆笑している。
グロテスクで残酷で意味不明な世界でも、笑えれば勝ち、ということなのかな、と思ったり。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2022年6月16日
読了日 : 2022年6月16日
本棚登録日 : 2022年6月16日

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