チェ・ゲバラ伝 増補版 (文春文庫)

著者 :
  • 文藝春秋 (2014年4月10日発売)
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本棚登録 : 152
感想 : 9
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読みやすかったです。ボリビアに行ってからの章で名前が入り乱れてよくわからなくなったけど。

コミュニストのイメージがふんわりあったものが、「革命家」であったのだなと腑に落ちた。体系だった思想より先に、大国から収奪される農民と自国を解放し、自立させることがまずもって目的としてあったのだ。
「革命は武力闘争なしには成し得ない」という信念や、こういった人物が称揚されることに時代を感じる。50年近く経って「テロ」という政治的なレトリックが浸透している今では、チェのような人物がもし世に出たとしても、さらに巧妙な印象操作の中で沈んでしまう気もする。
作中、搾取される大陸とラテンアメリカが表現されていて、はっとなってしまう。自由と平和を、怒りを持って求め続けることを、否定するべきでないと思う。

著者の思い入れを強く感じるので、他の書籍もいくつか読むとよいのかもしれない。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 小説以外
感想投稿日 : 2019年6月27日
読了日 : 2019年6月26日
本棚登録日 : 2019年4月15日

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