風水天戯 巻之四 守れ!乙女の願い (角川ビーンズ文庫 77-4)
- 角川書店(角川グループパブリッシング) (2011年9月30日発売)
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感想 : 7件
今回は女装回。そして、この人ほど、藤崎竜の研究をし尽くしている人はいないのではないか。毎回同じ感想なのだが、この人の小説は藤崎竜のコマが浮かぶ。ありありと、その微細なところまで浮かび上がる。見事な表現力だと思う。
だんだんと崇星淑のもとに仲間があつまって増えていくところがとても魅力的で、四巻でここにきて、物語の展開的には主人公の敗北なのだけれども、仲間が国を守る決意を持って共闘する場面は感慨無量だ。風水ブームがいつか起こったとき、出版社は真っ先にこの本を復刊すべきだろう。姉妹の絵も超魅力的なのだが、隠れた魅力を出している、キーパーソンが呉文恭。とくに、まわりに雲が沸き立っているキャラデザインはこれぞ藤崎という秀逸さだ。
国を守り、青烏派の復興、太明派との対決という大枠のなかに、ライバルの啓天との戦い、崇星淑の成長が絡み合い、サブキャラもみな魅力的だ。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
日本小説
- 感想投稿日 : 2020年12月6日
- 読了日 : 2020年12月6日
- 本棚登録日 : 2020年11月1日
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