電球交換士の憂鬱 (文芸書)

著者 :
  • 徳間書店 (2016年1月26日発売)
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本棚登録 : 282
感想 : 41
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 ちょっと気になっていた本、おそるおそる読んでいったらすごくおもしろいし、ぐいぐい引き込まれる。カラカラに乾いたようなミナト町を舞台にした、<電球交換士>を名乗る男の話で、ディストピア系かなと思ってたのだけれど、思ってたよりも現実的。でも過去に置いて行かれたモノや場所がたくさんでてきたり、奇妙な事が起こったりもして、なかなか現実は奇なり。
 メガネをかけることで、視界が変わるのが印象的だった。憂鬱は視力もあったかも分からないけれど、その間にあった<電球交換士>としてのこれからの<永遠>をどうするかも大きく在ったわけで。時間の短さ・長さ、いつが人生の折り返しなんて誰にも分からないわけで。そこに<永遠>が付いてしまったら途方もなくなってしまうだろう。散髪のオヤジさんの話も深いなと思った。でもそうなかなか髪を切りには行かないな……申し訳ないけれど。

 2話で出てきた偽者もまたあの人の仕業だとしたらあの人ほんと何者。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 2019年
感想投稿日 : 2019年7月7日
読了日 : 2019年7月7日
本棚登録日 : 2019年6月29日

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