『鴨川ホルモー』の続編で、6つの短編集。大学生(1つだけ大学を卒業した社会人)の友情と恋愛がテーマ。
『鴨川ホルモー』を読んでないので「ホルモー」が何なのかよく分からない状態で読み始め、読み終わってもイマイチよく分からないのだけど、ちっちゃいオニたちがわらわら出てきて戦わせる、という話。一部の人には見えるけど一般の人には見えない、ちっちゃいオニがわらわらする、というのはまるで『しゃばけ』の「鳴家(やなり)」みたいだな、しかも「『きゅるる』と鳴く。『きゃあきゃあきゃあ』と囃し立てる。『ぴゅろお』と消える。」(p.28)だそうだから、「きゅわきゅわ」って鳴く鳴家とますますそっくりだな、と思って親近感を持ったけど、どうやら鳴家よりはかわいくない様相じゃないみたいだから、個人的には残念。でもよく分からないけど戦って消えるというのは死ぬ、ということなのか、と思うとかわいいのが死んでいくのはいたたまれないから、別にこれくらいでいいのかな、と思ったり。でも足元で整列したり、映画館のロビーで遊んだりするらしいから、やっぱり仕草はかわいいよな、とか思った。五つ目の「丸の内サミット」で東京のビル街を感情なく浮遊してビルにぶつかったりするオニ、って笑える。けど無感情で浮遊するってどういう存在なんだかますます分からなくなる。
6つのストーリーの中では、やっぱり最後の「長持の恋」が良かった。今度京都に行くのだけど、「信長公廟」(p.281)って本当にあるのだろうか?そして「本能寺ノ変戦死陣歿之諸霊」という立て札の2行目に「柏原大鍋」と「柏原小鍋」(p.282)がある、っていうのは本当なのか確かめてみたいなあと思った。とてつもなく切ない話が良かった。
『鴨川ホルモー』を読んだ後だったら楽しめるのかな?独特な感じ。(23/10/08)
- 感想投稿日 : 2023年11月15日
- 読了日 : 2023年11月15日
- 本棚登録日 : 2023年11月15日
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