最近原始仏典を読み始めたのだけれど、なぜか法華経も気になって、積読してたこの新書を引っ張りだした。
話がサクサク進むので、入門向きではないです。あと分厚い。
法華経の内容はざっくり予習でいいけれど、まずは仏教の歴史を一通り頭に入れた上で読んだほうがわかりやすい。
実際にお経の本文から、この部分は当時の仏教がこうだったから~ということや、サンスクリット語の原文をいかに訳すべきかなどが具体的に解説されているので面白い。
「誰でもさとれる!」と言うためだけになぜこんなに長いお経を…?という疑問が、少し解けた気がします。
鳩摩羅什の訳も日蓮の読み方も、法華経の編纂者たちの意図をしっかり汲んでいるようです。汲んでいるかというのは学術的には厳密に断言できない気もするけど、聖典というのは単純にテキストを読むということではなくて、いかに自分の物語にするかということだと思う。中国(というか天台宗)や、そこから伝わった日本で一番といっていいほど大切にされたのが、平等なさとりを示すこのお経だったこと、私はうれしい。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
宗教・哲学
- 感想投稿日 : 2019年11月26日
- 読了日 : 2019年11月26日
- 本棚登録日 : 2016年1月18日
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