濃厚な短編集でした。
特に好きな短編は、「愛を適量」でした。
料理においてよく聞く適量ってこの言葉、本当に曖昧で難しい!
しかも、適量が味を左右しがち。
そんな風に、自分が好きな味付けだからと、自分が良かれと思って塩を多めに振ったら、相手の求めている味(こと)と違うってことを痛感するこの話。
相手の求めていることは、相手への愛がないと気づけないというけど、それが出来る人ってどれだけいるんだろう。(私は自信ありません)
私を含め、誰しも経験をしたことがあるであろうそうした気持ちのかけ違えに共感して、本作の中で一番心揺さぶられました。
スモールワールズってゆうタイトルは、短編の主人公達のそれぞれの家族に、それぞれの物語があることを感じさせました。
街ですれ違う人たちみんなにスモールワールズがあることに、人間が複雑な世界に生きている怖さとグロさのようなものを感じました。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2024年3月9日
- 読了日 : 2024年3月9日
- 本棚登録日 : 2023年10月12日
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