最長片道切符の旅 (新潮文庫)

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感想 : 40
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 1978年だから今から45年も前の話である。鉄道ファンである著者が、稚内から枕崎まで国鉄の最長片道切符で旅行した話を記した本である。
 これは記録本であり、どこそこ駅を何時の列車に乗って、天気が悪くて景色が見えない、などが続き、地理や鉄道に感心が薄い人には最後まで読み通せないかもしれない。
 しかし、時代の流れをひしひしと感じとれる。当時は今よりも路線が多く、しかも頻繁に電車や列車が走り、急行も多かった。あちこちの駅で駅弁を買い、駅に到着してから宿に電話して当日宿泊を決めるのが普通だった。
 地方の路線は、学生が多く、また学生がいないときはガラガラで、現在の状況を予感させるものである。
 最長片道切符は、今は当時よりどれくらい短くなったのだろう。もう四国も回れないし、非JRも増えて一抹の寂しさを感じるが、時の流れのせいで仕方がない。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 読んだ本
感想投稿日 : 2023年7月27日
読了日 : 2023年7月27日
本棚登録日 : 2023年7月27日

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