敗戦から7か月たった1946年3月の春休み
われらが少年探偵団の団長小林芳雄くんが団員第一号の羽柴壮二くんと映画を見に行った帰りのことです
二人が羽柴家に戻ると、先ほど訪ねてきた明智探偵と小林少年に秘蔵の黄金の厨子を渡したのだと言います
明智探偵と小林少年の偽物が?
そんなことをするのは、だれあろう怪人二十面相でした
銀座に開店した太田垣美術店の魔導書、名古屋城で戦火を免れた屏風絵をつぎつぎと手に入れた二十面相
こんどは四谷財閥が設立した綾鳥学園が持つ神像を盗むと犯行を予告してきました
小林くんが一人で綾鳥学園に忍び込んで見張っていると……
都心の地下にはりめぐらされた迷宮から奥多摩小河内に作られた秘密の研究所まで、東京じゅうを股にかけた逆転につぐ逆転の大活劇
はたして小林少年の偽物は誰なのか
敵に捕らわれた少女を救うことができるのか
明智探偵と小林少年、そして二十面相の運命やいかに
「少年探偵団」シリーズへのオマージュ作品
辻版「怪人二十面相」第2弾、2021年3月刊
「少年探偵団、バンザーイ! 小林芳雄、バンザーイ!」
1932年生まれの著者が戦争への悔恨を込めて敗戦直後の世相を描き出す“社会派ピカレスクロマン”
『焼跡の二十面相』(2019年4月、文庫版2021年10月)もあわせて
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
ひげうさぎ文庫プラス
- 感想投稿日 : 2022年2月14日
- 読了日 : 2022年2月12日
- 本棚登録日 : 2022年2月14日
みんなの感想をみる