テレビには食レポと称しておいしさを伝えんと工夫を凝らした映像が毎日のように溢れている。紋切り型の美辞麗句や繰り返される感嘆の声に食傷気味になるそれらと異なり、本著では店の佇まい、店員や客の様子、そしてメインたる料理の描写によって食事の魅力が鮮やかに再現される。味についてはほとんど詳細されてないのに描かれる食べ物の数々はあまりにも誘惑的。空腹時に読んではならないのはもちろんの事、満腹時に読んでいてもまた食欲が出てくる危険な書である。
読書状況:読み終わった
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随筆
- 感想投稿日 : 2015年10月4日
- 読了日 : 2015年9月19日
- 本棚登録日 : 2015年9月19日
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