チーム・バチスタの栄光(上) 「このミス」大賞シリーズ (宝島社文庫 599)

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  • 宝島社 (2007年11月10日発売)
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「あなたの名前の由来を教えてください」

これは田口が初対面の人に必ず聞く質問。
自分の名前というのは、その人が生きている中で一番耳にする言葉。その言葉とどのように向き合っているか、生きる姿勢、を知る。
回答は拒否されてもいい。その拒否さえも、その人自身を表しているから。
私は予定日の2月を過ぎ3月に生まれたので、これも縁!と、ひなと名付けられました。よくある名前で理由もシンプルなので、漢字はバランスも考えながらあまり使われないものを選んだらしい。と、私なら素直に答えるだろうなぁ。
しかし、大切なことは軽々しく口にするべきではないと考えている人は多いのだそう。

バチスタ手術を専門に心臓外科手術を成し遂げて来たチーム・バチスタ。そんな奇跡と呼ばれるチームに連続術中死が発生した。
高階病院長は、愚痴外来、もとい不定愁訴外来の田口医師へ内部調査を行うよう指示する。チーム・バチスタリーダーの桐生からの依頼だという。
単なる偶然か、医療ミスか。故意によるもの、殺人か。

チームリーダー桐生、第一助手垣谷、第二助手酒井、手術室看護師大友、臨床工学士羽場、麻酔科氷室、病理医鳴海。
聞き取り調査により見えてくる内部事情。
垣谷への不満、大友のチームへの馴染めなさ、羽場と氷室の厚い信頼、桐生の元義弟鳴海の存在。桐生への心酔。

田口の不定愁訴外来で培った、人の話を聞く力には感服。
黙って人の話を聞くのって案外出来ない。
それに加えて看護師藤原さんの存在が大きい。必要な時に必要な仕事をしてくれる縁の下の力持ち。患者にお茶を出すタイミング、田口に珈琲を入れてくれる気遣いがすごい。看護師のお母さんのような人。
田口白鳥コンビも好きだけれど、田口藤原ペアも素敵。

上巻では田口のバチスタ手術の見学、チームひとりひとりの聞き取り調査に終わる。
下巻で白鳥の登場があるので更なるスピードアップに期待。

こちら大好きで再三読んでいる田口白鳥シリーズ。ブクログでは初登録のため読み直しています。
私が大好きな救命救急の速水部長、名前でだけれど一作目で登場していたんだなぁ。
ドラマとは違う相関図。どちらも好き。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
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感想投稿日 : 2023年2月5日
読了日 : 2023年2月5日
本棚登録日 : 2023年2月5日

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