ナイチンゲールの沈黙(上) (宝島社文庫 C か 1-3 「このミス」大賞シリーズ)

著者 :
  • 宝島社 (2008年9月3日発売)
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前作のバチスタ・スキャンダルから9ヶ月が経った東城大学医学部附属病院が舞台。

小児科病棟では網膜芽腫の子供たちが入院している。彼らを受け持つ看護師、浜田小夜は病棟一の歌唱力の持ち主。
患者の一人、佐々木アツシ。5歳。
カエル宇宙人にハマっているらしい。まだ幼く、母と離れると不安になるが、浜田にはかなり懐いている。
アツシと同室の患者、牧村瑞人。14歳、中学3年生。
親が見舞いに一度も来ず、ネグレクトが疑われる。本人は病気を受け入れているが、積極的治療を拒んでいる。
こちらも浜田は受け入れている様子。
浜田は瑞人の父親に手術の同意を求め会いに行くが、そこでも拒否される。
後日、父親から連絡があり会いに行くが部屋へと連れ込まれる。

病気への不安や家族がいない不安は子供たちには大きすぎる怖さを連れてくるだろう。大人だって怖いもの。軽減してくれている看護って本当にすごい。頭が上がらない。

アツシと瑞人をMRI検査を受けさせる際、浜田の同伴を許した島津。
落ち着かせるため歌をうたった浜田。
その検査結果に驚くが、上巻ではまだなにが起こっているのかは分からない。
浜田の歌にはどんな力があるのか。

アツシの不安の大きさと瑞人の家庭環境や治療の拒否から、小児科看護師長の猫田から田口へ不定愁訴外来の依頼がくる。
問題なく進んでいた田口外来だったが、2回目に瑞人が急遽小児科へ呼び戻される。
父親が殺されたという。
院内で唯一、瑞人の父親に会ったことがある浜田も刑事のもとへ呼ばれる。
浜田と瑞人の父親との間に、何があったのか。
下巻へと進む。

こちらでも上巻では例のゴキブリ厚労省、もとい、白鳥は出てこない。


ここからは個人的に好きな登場人物について。
メインではない速水に何度か沸く。
ドラマでは白鳥と同期だった速水も好きだったが、原作で田口と同期なのも良い。
どちらにも共通しているのが、常に冷静でいること、多分面白いことが好きなこと、女性にモテること、ドクターヘリへの強い要望。
"行灯クン"かわいい。

それから田口の同期がもう一人、島津。
彼もドラマとはまた違った立場だが、どちらも好き。子供への対応は天晴れ!
がんがんトンネル魔人、的確すぎて良い。
田口速水島津が同期で揃っている東城大学医学部附属病院、強すぎる。

チームバチスタ原作本はそれぞれの関係性が強くて感情移入してしまう。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2023年3月2日
読了日 : 2023年2月27日
本棚登録日 : 2023年2月22日

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