ローマ亡き後の地中海世界1: 海賊、そして海軍 (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社 (2014年7月28日発売)
3.96
  • (34)
  • (67)
  • (32)
  • (4)
  • (0)
本棚登録 : 545
感想 : 46
3

 西ローマ帝国が滅亡し,地中海が境界の中に含まれて,人的にそして物的に流通を促進する役割を果たしていた時代から,境界そのものになった中世に変わった時代の話です。地中海の位置付けが,「道」から「壁」に変わった時代の物語でもあります。キーワードはサブタイトルの「海賊,そして海軍」です。
 第1巻では,北アフリカを含む地中海の南側がイスラム化され,イタリアとの間にあるシチリア島がイスラム化されるまでの時代を取り扱っています。地中海を間に挟んでの文明や価値観の違い,そしてその違いがもたらした衝突は何であったのか? また,その衝突に海が果たした役割は何であったのかを読む進めることでいろいろと考えました。
 海は「壁」というよりも「道」ととらえる考え方が有効な場面も多いのかなと思います。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 塩野七生
感想投稿日 : 2015年11月15日
読了日 : 2015年11月15日
本棚登録日 : 2015年10月10日

みんなの感想をみる

コメント 0件

ツイートする