11の短編集。
未知のウイルスにより休校になった子どもたち。
妻と娘に画面越しでしか会えない家族。
亡くなった母に会いたい娘。
ミックスルーツの母を持つ娘。
不登校やいじめ、病気を抱える子どもたち、など。
様々なさみしさを抱えた人たちの物語。
さみしい。だけど、あたたかい。
こいのぼりや置き物のかえるの目線、生と死の狭間の世界など、ファンタジックな設定や子どもに語るようなやさしい口調で、読んでいて安心感があった。
やさしくふわふわとした輪郭だったのが、最終話でくっきり明らかになる。「かぞえきれない星の、その次の星」に出てくるおじさん。きっと、重松さん自身でもあるんだろうな。
令和2年。作家としてできることを考え続けていたんじゃないのかな。それが、いろんなさみしさがあるなかで、希望はあるんだって、小説を通して伝えること、だったのかなって。
さみしさは消えないけど、希望を見つけることはできるよって、やさしく勇気づけてくれた。
未知のウイルスと戦い続けている今、この本に出会えてよかった。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
未設定
- 感想投稿日 : 2022年7月7日
- 読了日 : 2022年7月6日
- 本棚登録日 : 2022年7月3日
みんなの感想をみる
コメント 2件
hiromida2さんのコメント
2022/07/15
ひろさんのコメント
2022/07/15