かぞえきれない星の、その次の星

著者 :
  • KADOKAWA (2021年9月17日発売)
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本棚登録 : 856
感想 : 69

11の短編集。
未知のウイルスにより休校になった子どもたち。
妻と娘に画面越しでしか会えない家族。
亡くなった母に会いたい娘。
ミックスルーツの母を持つ娘。
不登校やいじめ、病気を抱える子どもたち、など。
様々なさみしさを抱えた人たちの物語。

さみしい。だけど、あたたかい。
こいのぼりや置き物のかえるの目線、生と死の狭間の世界など、ファンタジックな設定や子どもに語るようなやさしい口調で、読んでいて安心感があった。

やさしくふわふわとした輪郭だったのが、最終話でくっきり明らかになる。「かぞえきれない星の、その次の星」に出てくるおじさん。きっと、重松さん自身でもあるんだろうな。
令和2年。作家としてできることを考え続けていたんじゃないのかな。それが、いろんなさみしさがあるなかで、希望はあるんだって、小説を通して伝えること、だったのかなって。

さみしさは消えないけど、希望を見つけることはできるよって、やさしく勇気づけてくれた。
未知のウイルスと戦い続けている今、この本に出会えてよかった。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2022年7月7日
読了日 : 2022年7月6日
本棚登録日 : 2022年7月3日

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コメント 2件

hiromida2さんのコメント
2022/07/15

ひろさん٩꒰๑❛▿❛ ॢ̩꒱
素敵なレビューありがとうございます♪
レビューを通して、ひろさんと重松さんの
優しさが伝わってきました。

ひろさんのコメント
2022/07/15

hiromiさん(*ˊᵕˋ*)੭ ੈ
コメントありがとうございます!嬉しいです♪
現代の社会問題である、コロナやいじめ、不登校、人種差別など、内容は軽くないはずなのに、その言葉自体を使わずに描かれていて、優しく希望を感じさせてくれるようなお話でした。
大人も楽しめますが、小学生くらいの子にも読んでもらいたい作品だなぁと思いました。

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