三四郎 (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社 (1948年10月27日発売)
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本棚登録 : 8368
感想 : 628

三四郎の青春時代の不安や戸惑いが描かれる。
熊本から東京の大学に入学した三四郎は孤独を感じていたが、理系男子の野々宮先輩や与次郎、広田先生に出会い、少し明るさを取り戻す。
そんな中で、都会育ちで知的な美禰子と出会い、強く惹かれていく。
美禰子は野々宮先輩と付き合っているのかと思えば、三四郎に好意があるような態度もみられる。そんな彼女に三四郎は翻弄されてしまう。
いやしかし、乙女心って難しいなぁ。
私も三四郎と同じく鈍感な方なので、この美禰子という女性の態度はよくわからなかった。
美禰子は三四郎に野々宮先輩のことを「責任を逃れたがる人だから、丁度好いでしょう」という場面がある。
もしかしたら、野々宮先輩に好意を抱きながら煮え切らない態度にやきもきして、そんな彼に嫉妬させるために三四郎に近づいたのかもしれないし、純粋に三四郎に惹かれ始めていたのかもしれない。
当時は結婚相手が勝手に決められてしまったり、女性から想いを告げることなど難しい時代。
だから「ストレイシープ(迷える子)」という言葉でなんとか伝えようとしていたのかな。
迷える子とは三四郎のことだと思って読んでいたが、振り返ると美禰子自身のことだったのかもなぁ。
それにしても、昔にも草食男子っていたんだね。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2023年7月6日
読了日 : 2023年6月28日
本棚登録日 : 2023年6月28日

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コメント 3件

1Q84O1さんのコメント
2023/07/06

ひろさん♪
太宰治に続き最近は夏目漱石ですね
『こころ』『吾輩は猫である』『坊っちゃん』などの作品は知ってますが、恥ずかしながら読んだことはないです…
学校の授業で何か読んだことあったのかなぁ…(^_^;)

ひろさんのコメント
2023/07/07

1Qさん♪
太宰治は立て続けに読んだら少しお腹いっぱい気味で(-∀-`; )
夏目漱石は『こころ』以外の作品も気になっていたので読んでみました♪
自分が学校の授業で読んだ記憶がある文豪作品は芥川龍之介の『蜘蛛の糸』くらいでしょうか(^_^;)
今どきの教科書にはどんな作品が載ってるんでしょうね?子どもが小学生になったら見せてもらっちゃおうかな♪

1Q84O1さんのコメント
2023/07/07

ひろさん、お腹いっぱい気味w

あっ!?
『蜘蛛の糸』も授業で何となく記憶に…
教科書にいろいろな作品が載ってると子どもと一緒に文豪作品を楽しめるかもしれませんね
( ̄ー ̄)ニヤリ

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