あまりに美しく純粋な青年の孤独な愛の物語。
決して誰とも分かり合えない強い孤独。
友人に囲まれているときもそれは消えない。それどころか自分との違いを感じてより強まっていく。
愛が孤独を強くしていったようにも、孤独が愛を深く重くしていったようにも思う。
また戦時中という時代背景も、死が身近にある恐怖から孤独を強めていったのだろう。
青年はとても理知的だった。
考え抜く。貫き通す。揺るがない信念が青年を苦しめたようにも見えた。
自分の大事にしているもの。信仰もそうだ。生き方にも通じる譲れないもの。そういったものが違う相手と結ばれたとしても苦しい。
愛することは信じること。この一瞬を悔いなく生きること。青年の真っ直ぐな想いが心に残った。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2023年5月6日
- 読了日 : 2023年5月4日
- 本棚登録日 : 2023年2月24日
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