夏の庭―The Friends (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社 (1994年3月1日発売)
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本棚登録 : 16103
感想 : 1815

少年たちの夏休み。「人は死んだらどうなるのか」という好奇心から、おじいさんの観察を始める。すると、死にそうだったはずのおじいさんが、少年たちの思いとは裏腹にどんどん元気になっていく。そして少年たちも、おじいさんとの関係が深まるにつれて気持ちが変化していく。そこに友だちや親との関係も交えつつ、少年たちの成長が爽やかに描かれる。「死」を通して「生」をみつめる物語だった。

子どもの頃は置かれた環境で生きていかなきゃならなくて、それが世界のすべてだった。大人になると選択肢は増えていく反面、不自由にもなっていく。子どもの自由さはどこかにいってしまうんだよなぁ。
大人になり、ただ忙しなく過ぎ去っていく日々、なにか大切なものを見落としているのではないかと、あの頃の感覚を彼らに思い出させてもらった。特に虹を見た時の語りが好き。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2022年8月28日
読了日 : 2022年8月27日
本棚登録日 : 2022年8月23日

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