先日辻村さんの「スローハイツの神様」を読んだ時、その本の帯に「この順番で読めば、より楽しめる!(辻村ワールドすごろく)」と書いてあるのが気になって手に取った作品の一作目です。
瀬戸内海に浮かぶ島で生活し、フェリーで高校に通う高校生四人が主人公。読み始めは青春のキラキラした世界になかなか馴染めなかったのだけれど、気がつくと島での生活感やそれぞれの家族のヒストリー等の世界に埋没していました。
高校三年生という多感で貴重な時期を見事に小説に描きあげた作品だったと思います。自分自身の高校三年生の時は今から思い返してもなんとも味気ない、なんのワクワク感もない、面白くもなんともない時間だったことが悲しく思えてきます。
青春小説を読むのが苦手なのは、ついつい自分自身のその時期と比べてしまうからなのかもしれません。
この作品でも最後の方ではついつい涙腺が刺激されてしまいました。辻村さんは静かに感情を持ち上げてくれますね。
そして「スローハイツの神様」の登場人物は、他の人物でも良かったのかもしれませんが、「この人だからこそ」感に納得してしまいました。さすがです。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2024年3月21日
- 読了日 : 2024年3月21日
- 本棚登録日 : 2024年3月21日
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