急性白血病、とある日突然診断されたら、どうするか?
フィクションの世界ではとかく有名な白血病ですが、実際に自分の身に降りかかるとはだれも思ってないものです。
その診断を突然下された作者自身の記す闘病記は、だからなによりもまず驚きと、戸惑い、そして怖れがさまざまな角度から混ぜ込まれながら描かれていきます。ひたすらに真摯に、戦っていく姿が綴られていました。
過酷なその戦いの日々のなかで、浮き上がってくるのは、一人きりでは戦っていけないのだという事実。医者や看護師、家族に見知らぬ血の持ち主。そんないろんな人たちの助けと、なにより自分の「生きるんだ」という力があってこそ、病と戦っていけるのだという実感を、読んでいて強く感じました。
それは希少なこの体験だけではなく、
普通の日常生活においても、実はそうなのでしょう。
日常の日々にはこれほどの意気を見せる必要がないから、気づきませんが、実際のところはさまざまな人々に支えられ励まされ、そして逆に自分の励まし、だれかの力となっているのでしょう。
あくまで私にとっては、ですが、…そうした人と人とのかけがえのないつながり、絆、についても考えさせられた一冊となってくれました。
なにより読んでいて感じたのは、
作者の人となりの素敵さでした。
この文字に記されてはいない厳しい日々もあったことでしょうが、それを感じさせていてもなお、前を歩いていこう愛しているひとのためになるべく死なないようにがんばろう、というまっすぐなポリシーを、とてもうつくしく、貴くも感じたのです。
このように誰に恥じることもなく生きることに貪欲でありたいな、と
そう思えました。
- 感想投稿日 : 2013年10月27日
- 読了日 : 2013年10月24日
- 本棚登録日 : 2013年10月27日
みんなの感想をみる