いつも「時間がない」あなたに:欠乏の行動経済学

  • 早川書房 (2015年2月20日発売)
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【感想】
いつも時間がない、時間がないと思いがちだったけれども、
時間がないと言う欠乏性に陥っていることに気づかされた。
特に、身体の疲れにより休息が必要と同じように、精神的にも消耗したときに回復を必要とするというのは心に残った。
育児はまさにこれ。

あと、今まで貧困は金銭面しか考えていなかったけれども、
心理的状況や処理能力まで目を配ると言う事はなかった。これも新発見。

【心に残ったところ】

・ひとつのことに集中するということは、ほかのことをほったらかしにするということ。

・欠乏とは、自分の持っているものが必要と感じるものより少ないこと

・欠乏は人の心を占拠する

・欠乏状態とは、失敗できる余裕がないことだけではく、失敗する場面が多い。

・だから、スラックがあることは、豊かさを感じられ、心のぜいたくにも感じる。
(大きなスーツケースに物を詰める時、トレードオフになっていることにすら気付いていない)


・トンネリングは、トンネルの内側のものが鮮明に見えるが、トンネルに入らない周辺のものは何も見えなくなる視野狭窄の状態。

・トンネリング(差し迫った欠乏時に起こす。
例:借金を重ねることなど)を起こし、ほったらかしにし

・ジャグリング(緊急の課題を曲芸並みに次々とやりくりすること)によって欠乏の罠に陥る

・スラックをもとう(ショックをやわらげるくらい)

・本人の意思の問題ではなく、欠乏マインドセットを知り欠乏の罠を避ける方法、やわらげる方法を
・ダイエット、孤独感、借金なども欠乏マインドセット


・処理能力に負荷がかけられると、衝動抑えるのは難しくなる。
(控えたいケーキを食べることや、言うつもりのない言葉を口走るなど)

・自分が孤独になると思い込んだ人は2倍近くたくさん食べている。
他には脂っこい食べ物の摂取量がかなり多い。

★貧困は物質的は状況に重点が置かれがちだが、心理的状況、処理能力にも目を向ける必要がある
(よく眠れていない?頭をきちんと働かせるのが難しい?気が散りやすい、動揺しやすい?そんなことが毎日起こる?)



・圧倒的に1番多かった答えは時間。(中略)
もっと自由な時間が欲しいのだ。
人は身体的に疲れきって休息を必要するのと同じように、精神的にも消耗するので回復する必要がある。
ところが欠乏が長引くと処理能力の負荷は蓄積されがち。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2023年11月11日
読了日 : 2023年12月4日
本棚登録日 : 2023年11月11日

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