同じ詩人の訳者ということでシュウォッブの『少年十字軍』と比べながら読んだのがいけなかったのかな。なんとなく水面をたゆたうような虚ろな気持ちで、深海まで潜りこめなかった感じがする。もちろん多田智満子さんの訳文は優美で素晴らしいのですけれど。西洋人が書く東洋に馴染みきれなかったのだとも思う。オリエントを謳い文句にした香水のような錯誤感。と考えつづめれば上等なイミテーションは正に東洋そのものかもしれない。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
フランス文学
- 感想投稿日 : 2014年1月13日
- 読了日 : 2013年10月26日
- 本棚登録日 : 2014年1月13日
みんなの感想をみる